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2009年 02月 27日

おべんとうの味

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娘のために、妻がお弁当を作る。
たまにお弁当の日があり、ずいぶん可愛いお弁当を作っている。
いつもは給食なのだが、娘もこの日を結構楽しみにしているようだ。


子供の頃のことだ。
記憶に残っているのは小学校の何年生だったか、ある運動会での出来事。
大抵、運動会というと家族が観戦にやってきて、昼は皆でお弁当を囲む。
だが、そのとき僕は一人だった。
母はなにやら忙しくて学校に来れず、父も仕事だし、僕はお弁当を持たされた。
天気のよい運動会だった。運動会は次々と種目が過ぎて、僕は応援したり友達と遊んだり。

やがて昼になった。それまで応援したり喋ったりしながら校庭に並べた椅子に座っていた子供達はそれぞれの家族の元に散って行った。
そして、それまで友達といた僕は急に一人きりになった。
皆、運動場の端にある緑の多いところを陣取って、家族で大きなお重を囲んでいる。教室は電気も消え誰もいない。

僕は行くところが無かった。
一人お弁当を抱え、笑い声や歓声から逃れるように、でも教室にいるのも嫌で校舎の隅に腰を下ろした。
そんな姿を見つけ僕の友達が声をかけて来た。
「ひとり?僕のところで一緒に食べよう。」
そう言われて、僕は彼の家族とご飯を食べる事になった。彼の母親が遠慮なく食べなさいと、大きなお重に入った沢山のごちそうを勧めてくれた。
ここぞとばかり、豪華なおかずが目に入り、僕は思わず手を出して、食べ始めた。
ごちそうをほおばりながら、でも僕は膝の横に置いたお弁当が気になって仕方なかった。
母が朝早く起きて用意してくれたお弁当。
そっと開けてみると、のりの匂いとともに、おむすびと鶏肉の甘辛い煮物。
すこし地味だったけれど、僕の好きなおかずが詰めてあった。

ついつい、友人家族のお弁当をつまんでしまった僕は、それでも母が作ったお弁当を食べようとがんばった。でも、もう満腹だった。
結局、残してはいけないと思ったものの、半分ほどがそのままになった。
家に帰り、まだおにぎりが残っているお弁当を返した時、本当にごめんなさいと思ったものだ。


娘はどちらかというと小食だが、お弁当は残さないようだ。
食育などという言葉が最近あるが、母が手作りで作るお弁当というのは、きっとどの食事より食育になるだろう。親は大変だけど、その分子供には残るのだ。
申し訳ないが、あのとき友人の母にごちそうになった食事はあまり覚えていない。
だが、今でもあの時の母のお弁当の味はしっかり思い出す事が出来るのだ。
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by glassroom | 2009-02-27 19:06
2009年 02月 25日

見えないところの整理

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Macの中がえらいことになっていた。
僕は結構な頻度で写真を撮る。
これを日々Macにデータを流し込んでブログに使うもの、ショップの写真、そしてレジャーやら家族写真までなんでもかんでも、まるで魔法のツボのようにいくらでも入るコンピュータに流し込む。
これがえらいことの元凶だった。
こういったデータの山、みんなどうやって整理してるんだろう。

よくわからないフォルダを開いてみると、出てくる出てくる。
ブログに使おうと思って何度も撮ってみた写真。
構図を変えたり、光を変えたり。あれれ、ブレてるなんてのもぞくぞく。

で、少し前のボツ写真をアップしてみた。
しばらく、写真整理をがんばろう。
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by glassroom | 2009-02-25 22:23 | 日々の出来事
2009年 02月 18日

うま

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MIHO MUSEUMでお世話になるリュトンを並べてみると、各馬一斉にスタートという感じ。
馬は走ってなんぼしか評価されなくて、ちょっと可哀想だなと思う。
そういえば、遅くて人気になった競走馬はどうしているのか・・・

できたてのほかほか暖かい馬達は、でも動くことなく静かに並んでいる。
僕の馬達は走らないが、どこかで可愛がられる馬になってほしいと思う。
その命を吹き込むことが出来ているのか、難しいなといつも思う。
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by glassroom | 2009-02-18 11:22 | 吹きガラスの事
2009年 02月 15日

だいぶつ

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すごく久しぶりに家族で奈良へ行く。
娘が大仏を見た事がない。近くに住んでいるのだから、東大寺くらい行こうという話になって、昼過ぎ、遅いスタートになった。
奈良公園に着き、歩いて東大寺までの間、娘はシカに夢中。息子もなんだかシカにちょっかいを出したい風。
動物大好きな娘は、しかせんべいをせがむ。
しかせんべい150円なり。

しかせんべい、買った途端にシカに取り囲まれ、身動きが出来ない。
驚いて息子がせんべいを落とす。そして逃げだす。
まだシカに馴れていない娘は、驚いてシカに近づく事ができず、結局僕がシカ達に鼻で小突かれながらせんべいを奪われる。
シカを撫でたい娘、半べそでもう一度しかせんべいを買ってくれとねだる。

第二ラウンド。
ようやく慣れたのか、シカを触って娘ご満悦。息子は鼻の湿りが気になってへっぴり腰。
ああ、シカ、シカ。

シカばっかりで全然東大寺に辿り着けない。
ようやく辿り着いたものの、大仏にあまり感動しない息子と娘。
そそくさと出て、シカを追う。(笑)

シカ、しか、鹿で終わった1日。
娘には「だいぶつ」より「どうぶつ」がよかったようだ。
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by glassroom | 2009-02-15 18:16 | 日々の出来事
2009年 02月 05日

銀河

久々の更新。
新年より、なにやら設備系のトラブルが続く。老朽化した部品が原因。
老朽化・・・?まだ10年なのに。

話が変わるがそんな設備とは違い、工房の建物はえらく古く、この建物をよく知る近所のオッチャンは「伊勢湾台風でこの建物は傾いた。」という。
伊勢湾台風って・・・僕も知らない。
その台風で傾いた建物を、みんなで引っぱって直したんだよ、という話を聞いた。

地震が来たらマズイのでは?
朗らかに笑って話すおっちゃんを前に、内心ヤバイと思った僕は建物診断に電話をかけた。
結果はまあ大丈夫でしょう、という答えにやや安心しつつ、今も工房を続けているのだが、そんな歴史を感じさせるこの建物に、今回新たな「文化財」を発見した。


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工房の窓に懐かしいガラスがはまっているなあとは思っていた。
昔、台所だのお風呂の窓などにはまっていたやつだ。僕は知っている年代なので、懐かしいくらいに思っていた。
だが、教室の時間に生徒さんが「このガラス可愛い」とおっしゃる。
このレトロな型板ガラスが可愛いかあ・・
そう言われると、確かに可愛いような気もする。

調べてみると、このガラスは日本板硝子が製造した商品名「銀河」というガラス。
60年代ぐらいに大流行したガラスらしい。僕がかつて子供の頃見たのは、建物に残っていたけれど、すでに商品としては廃盤だったようだ。
今ではこうした古い建物しか見つからず、解体した家屋からストックする業者さんも居るそうで、なかなかレアなアイテムといえよう。

レトロなものに価値を見いだすのは、確かに新しい視点を持った若い人のようだ。
気づかされた僕は、早速このガラスを僕認定工房重要文化財として大切にすることにした。
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by glassroom | 2009-02-05 10:27 | 日々の出来事