あるガラス吹きの徒然日記。

glassrooms.exblog.jp
ブログトップ

<   2006年 01月 ( 16 )   > この月の画像一覧


2006年 01月 31日

忘れられない一節

d0029974_22453179.jpg

とってもお恥ずかしい話だけれども、僕はあまり本を読まなかった。
子供の頃、もっぱら読んでいたのはマンガで、特に手塚治虫はもう僕の人格を形成するほど読みふけった。手塚はこれは深い深い世界があるけれど、それはまた機会があれば書く。

ようやく、青年という歳になって活字に親しむようになったのだけど、出会った作家でとにかく心を掴まれたのは遠藤周作だった。
どこがどう、という僕の思いをくどくど書いても仕方ないので、書かないけれども、彼の文章でとても印象深い一節をちょっと紹介したくなった。

もう三十数年前に書かれたエッセイの一節。
電車で騒ぐ若者に対して、忠告するように文章は始まる。
「まるで自分たちがこの列車を借り切ったような態度」の若者に対して、「電車の中には読書をしている人もいるし、眠りたい人もいるし、また病人もいる。」と続く。
そして彼らに「人生のなかで必要な想像力を養ってもいいと思う。自分がこういう行為をすれば、他人にどんな迷惑をかけるかという想像ができなければ、後になってどんな本を読んでも理解できなくなるだろう。自分以外の世界を想像する力のないものは、いかなる芸術作品もわからないからである。」と。

平易な表現でありながら、芸術と文学の核心を表しているこの文章と初めて出会って以来、この一節は忘れられないものになった。
そして、このところ嫌なニュースが続くけれど、この人達はまさに必要な想像力を養っていないのだろうなあ、と思うのだ。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-31 23:30
2006年 01月 26日

あなたは・・どっち?

d0029974_041860.jpg

ギックリはだいぶ快方に向かってきたが、やっぱりばりばり仕事をするにはまだちと辛い。
で、スケッチしたり、テレビ見たり。いや、テレビ見ながら時々スケッチ?
まあいい・・・

とりあえず色鉛筆など出してみる。形と色を考える。
これはもういつも苦労する話で。

僕は形の人。色は苦手。
逆に色の人もいる。

両方できる人もいるけれど、見ているとこの二つ、どちらかへの偏重が認められるような気がする。
これは教えさせて頂いていると特に思う事で、生徒さんのタイプは分かれている。
形の人はひたすら透明のガラスで形を作る事に腐心していて、色は滅多に使わない。使ってもどちらかと言うと、入れてみた程度の扱い。形がどうなるかを一番に考えておられる。
そして色の人はこの逆で、作る形は同じでもそれをキャンバスにしてどんどん色を入れていく。作る時にも色の入り方にはとても慎重に、細かく操作をしようとするが、形にはやや甘い傾向がある。

この辺は指導させて頂きながら非常に興味深い。
そして他人の事は興味深いで済むけれど、自分になるとこれが苦労する。
見るのは楽しいんだけどね・・・・
さて、あなたはどちら?


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-26 23:55 | 日々の出来事
2006年 01月 25日

ギクギク

d0029974_23481289.jpg

ギックリ腰によって、僕の動きはホンダのアシモみたいになった。

今日は教室。
教室をしていても不自由でしかたない。だが、比較的軽症でのおかげでなんとか仕事もゆっくりしている。用心に越した事はない。
だが腰の痛みには、もっと大変な経験がある。

10年ほど前、椎間板ヘルニアを患った。
きっかけは本が詰まった箱を持って、体をよじったことだった。
ぴっ、という電気のような感覚が一瞬背中に走り、その後その感覚は消え失せた。
「ありゃ何だったんだろう?」
その時はさほど気にしていなかったが2、3ヶ月して突然激痛に襲われた。

痛みで立つ事も、座る事も、寝る事も出来なかった。
何をしても痛い。
右足の奥深くに、ワイヤーでも仕込まれて、そこに電流を流しながら筋肉をちょこちょこ引っ張られているかのような不快な痛みと、内蔵の中から誰かが手を出して背骨をぎゅーっと力まかせに握り続けているような痛みがダブルで24時間続くのだ。

この期間は数ヶ月続くのだが、今思い出してもこの期間、どう過ごしていたかあまり記憶がない。あまりの苦痛に記憶が抜け落ちているようだ。

覚えているのは、この地獄から抜け出したい一心で、藁をもすがるようにあちこち見てもらったことだ。整形外科、鍼灸、整体、気功・・・・ちょっとあやしげな治療まで噂を聞きつけたら何でも試した。

あの経験は二度とごめんだが、唯一得たもの。それは病苦から逃れたいという感覚について、この経験で初めて体で理解する事が出来た気がすること。そしてそれは他者への想像力と理解にちょっぴりだけ貢献するものかもしれない。
ちょっと飛躍しすぎましたか・・・


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-25 23:10 | 日々の出来事
2006年 01月 24日

一回休み

d0029974_23524165.jpg

人生ゲーム。
ルーレットを回し、出た目の数だけ進む。皆さんご存知のゲームです。

次、堀江さん・・・・あ、悪い目がでちゃいましたね。塀の中に転落です。
次、え、僕ですか?

「えい!」ぐるぐるぐる。えーっとなになに・・・・
「事務作業中、いきなりギックリ腰。仕事を一回休む」
え!

というわけで僕の出た目は一回休み。
ギックリ腰でした。
今日はそんなわけで慌てて家に帰り、寝たきりです。
寝ながら見上げると、ヒアシンスがぐんぐんと成長しているのが目に入り、ぼーっと見て過ごしました。

明日はどんな目が出るんでしょうか・・・


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-24 23:52 | 日々の出来事
2006年 01月 23日

デッカイ・・・

d0029974_23381233.jpg

でっかい里芋を買った。
子犬の頭くらいの大きさ。デッカイ・・・

見ているとオブジェのよう。量感、テクスチャー、造形。
見ていて飽きない。
こういうの、作ってみたいなあ・・・(窯ではなく畑で作れるが)

でも、こいつは野菜・・・さくさく切って、お水でさらして、土鍋に放り込んで。
今日の写真の出来はマズイが、お味はとってもよかったな・・・
うるさいニュース・・・!テレビは消して、ほくほくとしたお味を楽しみましょう。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-23 23:52 | 日々の出来事
2006年 01月 22日

とっとこ

d0029974_21301584.jpg

娘が花を生けている。
ベースの花器やオアシスのセッティングと、基本動作を隣でしている母親に教わり、あとは自分でとっとこ進めていた。
「あっ、これ」
「これにしよう・・・」
隣の母親の材料もサッと取って使っちゃう・・・

絵を描くのも、お花を生けるのも、娘には迷いがない。
絵を描く時には描きたいものを、描きたい場所に。
気に入ったお花は手に取って、切りたいところで切ってとっとこ進める。

どちらにしよう・・となることがあるけど、他人にどう見せるだの、作為的な意図がないので、そういう点での迷いはないようだ。
羨ましい・・・・

別に娘に限った事ではないけれど、子供はなんでもしたいようにする。
あんな気持ち良さそうなことはない。
あんな羨ましいことはない。

そうでありたい、と始めた自分の仕事も、目の前でこうとっとこ見せられると、たまったもんじゃありません。
d0029974_214729100.jpg



参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-22 21:52 | 日々の出来事
2006年 01月 20日

d0029974_22503667.jpg

作業をしていると出るもの。
それはガラス屑。

この屑が結構可愛かったりする。
小さな屑はあくまで作業途中のいらないものだけど、端っこに溜まった色や形は妙に愛らしいものがあったりして、ちょっと捨てがたい屑も出たりする。

そんな小さな屑の一つ。大きさは1cmくらい。
ころんとした球体に意図せず入り込んでいる色。
ビー玉を思い出す。

そういえば、ビー玉って大好きだった。
中に閉じ込められたリボンのような色を眺めるのが好きだった。お気に入りのビー玉は割れたり欠けたりしないように大切に持っていた。
そう思うと僕のガラスフェチの歴史は長いなあ・・・


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-20 23:02 | ガラスのお話
2006年 01月 19日

寒いよ〜

d0029974_2141854.jpg

今はYUKA X YUKA さんのサイト、おもてなし.bizに出品させて頂くものを作っている。

一般的に作る、という作業はガラスを吹いて作るだけじゃない。
一応企画というか、作るものと価格やバリエーションを考えて、スケッチをして、準備をして、作って、写真を撮ったり、その後梱包や発送、ギャラリーなら現地へ行ったり、案内状を作ったり・・・実に色々な作業がある。

でも・・・ふたたび寒くなってつい「炎」に走ってしまう。
ガラスを吹いていれば暖かいもの・・・・

それに比べ、他の作業のなんと寒いこと。たとえば写真の撮影。
当然撮影スタジオなんていいものはないので、写真はたいてい外で撮ることがおおい。
夏は強烈な光線にガラスもキラリ。気持ちいい写真が撮れるのだけど、冬はアカン!

光も弱いし、日はすぐ暮れるし、なにより寒い。
今日は・・・うわ〜、雪が舞ってきた。

ついつい炎に逃げてしまう。写真は・・・室内で撮るとやっぱアカンわ。
年齢のガラスを始めたせいですっかり寒さに弱くなっちゃった。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-19 22:05 | 日々の出来事
2006年 01月 18日

見ていて気持ちわるい

d0029974_955431.jpg

ガラスは正直だ。
というより、自分のする事は適正にガラスに反映される。
儲けてやろうとしても、良いものが出来ないとそれなりのものになる。
それなりの値段を付けるにはそれなりの技術と手間と情熱を注がねばならない。


なんだか世の中騒がしい。

時事ネタはテーマが違うので扱わないことにしているけど、騒がしいので気になる。
昨日のライブドアのニュース、そして耐震偽装の小嶋の証人喚問。どちらも個々の事件でありながら、堀江、小嶋の政治家への関与もあってすっきりしない。

先日、「家」がつく職業の事を書いたけど、政治家も家の字がつく職業。
その道を追求する、そしてその道を極め、自己の確立した哲学を持って進むべき職業。
特に政治家は先導的役割によってその国のありよう、国民の人生そのものにかかわってくる職業。

政治家・・家を付けるに値する政治家はどれだけいるのだろう。
僕などに裏で行われていることなど知るすべもないが、すました顔で「私には何も関係ありません。」と答えている政治家の面々。そして起業家、企業家(そんな言葉ある?)
どちらも家を返上していただきたい。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-18 10:19
2006年 01月 10日

では、僕は

d0029974_20232458.jpg

ゲイジュツとはなんぞや?
そんなどえらい事はどうでもよろしい。

芸術とは?

カニA:「クラムボンは笑ったよ。」
カニB:「クラムボンは泣いていたよ。」

ということで、どちらとも正しいと言える正解のない主観を定義付けることに、あまり意味はない。

昨日、職人とクライアントの事を書いたけど、前々回書いた家のつく職業はやや芸術寄りのスタンスで仕事をしている。(家のつく仕事を総称して作家ということにしておこう。)

この場合、作家の内容が芸術的であるかどうか、各々のケースを検証してもしかたない。ただ、作家の仕事を思うとき、必ずしもクライアントが存在しないということが特徴だと思う。
クライアントがいようといるまいと、作り続ける。
作る欲求は、探究心だったりただただ衝動だったり色々だけど、とりあえず作る。

そして大切な事はそれが仕事として成立することだと思う。
クライアントがいない、でも作る。そして作ったものが何らかの価値を持ち作家が評価をされる。そして作家の哲学なり方法論が評価され、受け入れられる。
この循環がやはり必要だろう。

これは個人の力量という話になってくるが、でも分野としての認知度、ということもある。
前々回書いてみた職業、建築家、画家、など色々な家のつく職業は時としてクライアントがいないという前提でものを作るという職業形態が存在していて、それが社会的に認知されている。

という定義でいくとガラスって・・・作家より職人分野が主流だ。
ちょっと書いておくのは、だからといって、画家が容易になれる、ガラスでの作家が難しい、ということではない。どちらもハードルは高い。

そして、職人も、作家もとてつもなく難しい職業だ。


僕は職人としての訓練を受けた事はない。
だから職人にはなれないだろう。
だから細工、といわれるのは心地が悪い。
でも、作家として認知されるほどの哲学や作品を確立してもいない。
だから作家でもないのだ。

だから今の僕は・・・やっぱりガラスを吹いてものを作っている。というくらいが分相応という感じだ。

本当はまだまだ続く・・・のだけどちょっとこのへんでこの話は一旦終わり。

参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-10 22:40 | ガラスのお話