あるガラス吹きの徒然日記。

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2005年 08月 31日

欲望と理性

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メンテナンスも大体終わり、お掃除お掃除。

メンテナンスは頭を使ってもお掃除はとにかく体を使う。せっせ、せっせと身体を動かせば、ホラ片付くぞ。

そんなわけでお掃除は体は動かせど、あまり考えないので暇だからラジオでも聴きながら作業する。FMで音楽でも聴きながら・・・
と、ラジオ通販?(名称はわからない)が流れ出す。軽快な音楽にのせて、女性がまるで貴方が好きよ、と言わんばかりの麗しい調子で話し出す。
「本日お届けするのは、皆さん大好きなカニ!それもとれとれの花咲ガニですよぉ〜」

「お、いいねえ・・カニかあ・・・」

「今回は大満足1.2kg!きっと大満足ですよぉ〜」

「いいねえ、いいねえ」

「この花咲ガニ、産地は・・・(中略)・・・とにかく一度おためし下さい、このカニ、実は収穫量が昔に比べて十分の一になったんです!なのでなかなか取れない貴重品!・・でも私ども、どど〜んと用意いたしました!」

・・・おいおい、そんなん食っていいんかい・・

「3ハイありますが、2ハイは卵を沢山持っているメスガニ!きっと満足頂けます!」

・・・ますます食っていいんかいな。卵沢山って・・
急速に食欲が萎えて理性が頭脳を支配する。
アナウンサーは続ける。ホントに麗しき声で。

「このカニ、食べ方ですが、茹でてありますから解凍してそのまま食べてください。カニの甘みがお口一杯にひろがりますよぉ〜」

想像する・・・美味そう。
あ、いかん。


まあ、広告というものは人の欲望を喚起する装置であるからにして、この女性の麗しい声と食欲をそそるその調子は広告の王道であり、その役目を十二分に果たしているわけだが。でも。
そら、色々絶滅するわな。
人の欲望ってのは、まったくえらいものやね。

今年はキャベツが大豊作らしい。にもかかわらず、キャベツの人気があまりなく、生産調整で何万トンもトラクターに踏みつぶされているらしい。
キャベツもカニも不憫やなあ・・・

ところでカニ味のキャベツとか作れないかな。


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by glassroom | 2005-08-31 17:14 | 日々の出来事
2005年 08月 29日

始動

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ここしばらくの自分のブログを見てみると、まるでフツーの日記。
しかし、夏の終わりを感じさせる気候とともに、そろそろ二学期のスタート。

窯に火を入れる。

この瞬間、実はホントに嫌だ。
自分の中で二人が争う。

火をつけた瞬間、微かな諦めと緊張、そしてやったるでと言う声も聞こえ・・・
とても微妙な、複雑な瞬間なのだ。
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バーナーの小さな覗き窓の炎、音。眠りから覚めて動き始めた窯に引っ張られて僕も緊張が戻ってくる。

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とはいえ、僕にはまだ宿題がある。
メンテナンス・・・

メンテナンスって何よ、と思われるかもしれない。
これは主に痛んだ窯の補修と使い勝手を良くする、いわばアップグレード。
自分で作った窯だから、自分しか直せないし保証もできない。
でも、この時期僕は何者?って思う。

様々な素材をいじっている時間が多く、そして考え、試行錯誤している時間が非常に長い。
不具合の解消には誰も答えてくれないし、次に火を落とす時まで安心して安全なランニングができる保証を自分の中に求める。
答えは自分で作り出す。だから、うん、よしって自分で言えるまで、何度も何度も作り直したり、試したり設計を繰り返す。
肉体的にしんどいけれど、けっこう面白い作業でもある。

鉄の溶接やら、木やら、耐火煉瓦やモルタル、設計から施行まで・・・
色んな素材をいじっていると、ガラス以外も楽しめるじゃないか、と思うけど。
いつか、まるで別のものを作ってやろうかな、と密かな野望も芽生えるこの時間なのだ。


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by glassroom | 2005-08-29 23:17 | 日々の出来事
2005年 08月 28日

シナリオ通りですな

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現在、色々と批判のあるゆとり教育。
小学生は土日が休み、おかげで夏休みがちょっと短縮されてしまい、明日から息子の学校は始業式。つまり、今日が最後の夏休み。

子供の頃、恐怖の日があった。
小恐怖はまず日曜の夕方。あの曲が聞こえるとああ、もう終わってしまったのかあ、と悲しい気分になった。
「サーザエさんサザエさん、サザエさーんはゆっかいだね〜、ちゃっちゃ、ちゃらら、ちゃっちゃちゃらら、ちゃっちゃららららら、トン!」
・・・・・終わってしまった。日曜が。

そして大恐怖はもちろん夏休み最終日
今、息子はその恐怖のまっただ中にいるようす。
もちろん自室に軟禁状態である。

自由研究、色々苦しんでいる様子。
頻繁に部屋から出てきては色々助けを求めてくる。
おまえなあ・・・
と、声を荒げようとしたら、テレビの中でもカツオが怒られていた。

まるでうちに仕掛けられたカメラの映像にエフェクトをかけて、息子がカツオに、僕が波平になったかのような映像に、怒るのも忘れて笑ってしまった。

さあ、息子、今日は何時に寝られるのだ!


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by glassroom | 2005-08-28 21:07 | 日々の出来事
2005年 08月 26日

ちょっと残念

さっき、ヤフーのトピックスで知ったのだが、銀河高原ビールが赤字で事業を縮小するという。
・・・ちょっと寂しい。
日本で飲める数少ない白ビールだったのに。

ドイツに滞在していたときにもう本当にビールに感動した。
バイエルン州の名物ビール、白ビール。
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昔の写真だから分かりにくいけど。こんな感じ・・・

小麦で作られたそのビール、酵母がそのまま入っていて濁っている。そして果物のようなこくとうまみがある。ビンの底には酵母の固まりが沈んでいて、最後にビンを振って酵母を最後まで飲むのがよい、と教わった。肌がきれいになりそうだ・・・
初体験のその味、とりこになった。
黒くて固くて、そしてすっぱいパンにバターをたっぷり塗って、このピールと一緒に食べる。
ついでに白ソーセージなんてあると・・・ああ、もうたまらない・・・・

このビール、日本とはまるで違う味で、帰ってきてから同じビールを探したが全くない。
ああ、あのビールはどこに・・・
そして極めて近い味を探し当てた。
それが銀河高原ビールだった。(僕はこのビール関係者ではありません。)
強いて言えばちょっとドイツのそれより「薄い」感じだけど、路線はまさしくこれこれ。

見つけて喜んだものの、沢山は飲まなかった(ごめんなさい)
なぜなら、料理が違うから。
日本の味、醤油とか、ダシのものとかにはちょっとどうかな、って思ったのも正直なところ。

パンはイーストで発酵するし、ビールはビール酵母。
あの土地で育ったイーストのパンに発酵バターを塗って、酵母の沈んだビールの組み合わせ、絶妙だった。その土地の菌を使わなきゃね。
日本でもあのパンとセットで売れば良かったのかも。

でもまた事業は継続するらしいから、売り上げに協力しようかな。


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by glassroom | 2005-08-26 22:24 | 日々の出来事
2005年 08月 25日

大切なモノ

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新しい坩堝(ルツボ)がやって来た。
これが来ると、もう逃げられないぞ、と言われているようだ。
坩堝が無いと、窯に火を入れることはできない。
と、自分に言い訳が立つのだが、これが来ちゃうともうそれはではできない。
サア、働け働け・・・・と。

僕の使う坩堝は職人さんが手で作るオーダー品。
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僕のオーダー品であることが分かるように、ちゃんと僕の名前も刻み込んである。

こういう他の人があまり知らない特殊なモノを、それも僕だけのモノを手に入れると、なんだかちょっとだけ「フフン!」って気分になるのはなぜ?
別に誰も知らないのにね。

溶けた状態のガラスは浸食性があって、ちょうど雪に水をかけると雪がさーっと溶けていくように、溶けたガラスがつくと窯の材料は溶かされていく。
その浸食性に対抗して、約半年踏ん張る坩堝には絶対的な信頼が必要だ。
僕らの仕事を根底で支えている坩堝は僕の気を引き締める。

ゆるゆるの顔、引き締めて!
ビールでたるんだおなか、引っ込めて!
さてと、やりましょか。


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by glassroom | 2005-08-25 23:42 | ガラスのお話
2005年 08月 24日

アルバム

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ぼちぼち仕事を始めた。
といっても、まだ仕事へのリハビリ状態で、本稼働はやはり点火後かな。

夜、友人と会う。
河原町は京都の一番の繁華街。

帰り道、鴨川の川面に映る街の灯を見ながら、ほろ酔いで川ぞいを歩く。
昔はしょっちゅう歩いていたこの辺り、近くなのに滅多に来なくなったなあ・・・。
あちこちで時折弾けるような若い人達の笑い声。
まだまだ不景気とか、閉塞感のある社会とか言うけど、若い人達の笑い声はそういう事を感じさせない。
僕もそんなときがあったっけ。


景色が変わらない、というのはとても重要なことだ。
アルバムを開いて忘れていた過去を思い出すように、風景がその役目を果たす。
どんどん変わってしまう日本の風景のなかで、人の記憶は個人のアルバムやビデオの中だけになっていく。そんなのはちょっと寂しい。
風景を保つ。自然を保つ、街を保つというのは、人の過去の記憶を保存する大切なアルバム。

この街はあまり変わってほしくないなあ・・・


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by glassroom | 2005-08-24 23:59 | 京都の事
2005年 08月 22日

なぜに手伝ってしまうのか?

自分が子供だった頃、母親は別として父親に夏休みの宿題を手伝ってもらった記憶はない。
なので、当然僕も手伝いなんて・・・・

だが、手伝ってしまう。しかも激しく。

そう、昨日の続き、自由研究。
そもそも、一ヶ月かけてすることを1、2日でやろうというのが間違い。
研究テーマをあれこれ迷ったあげく、息子は顕微鏡を使うことに。
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僕が小学生の頃使っていた顕微鏡を出すことに。ようやくこれを自分の子供に使わすことが出来るようになったかあ、と感慨ひとしお・・・懐かしい・・・・愛着がある。
などとふけっている間はなかった。

なんと、レンズにカビが!
おかげで視野がぼやけてしまう。

で、レンズを拭くが、内部のレンズが汚れている様子で、禁断の分解作業に突入!
おお~、内部ってこうなってたんか!
やや興奮。

小さなレンズが曇ってる。
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おや、コンタクトレンズみたい。
これ、洗うの、コンタクトレンズ洗浄液でやったろ。

おお〜、ぴかぴか。予想的中。

と、大人の工作のように遊んでみる。
僕が子供の頃、この顕微鏡で本当によく色々見た。

気のない息子を奮い立たせるのに、早速田んぼの水を取りにいかせ、のぞかせる。
しめしめ、必死にのぞきはじめたぞ・・・・

しかし、難しいですな。子供に教えるってことは。
大人にガラスを教える方が楽やんか。
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by glassroom | 2005-08-22 22:00 | 日々の出来事
2005年 08月 21日

むずむず

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僕のブログの主旨はガラスなのだがあと少しの夏休み、もうちょっと道草の話題を・・・

夏休み・・・・で、連想すること。
スイカ、花火・・・そして宿題!

今、子供が横で「自由研究」をしている。している、というか、苦しんでいる。(笑)
夏休みの宿題、休みが始まると同時にあっという間に仕上げるタイプと、もうあかん!学校が始まる!ってなってから取りかかるタイプと・・・・
あなたはどちら?

僕はもちろん、もうあかん!タイプ(笑)
いっつもギリギリでやっていた。

遺伝というのは恐ろしい。
息子、必死に、いや、仕方なくやっている、今頃。

もっと子供の頃勉強しておけば良かった。異口同音に聞かれる台詞。
子供の宿題を見ていると、今僕が自由研究させてもらったら、あんなことしたり、あんな風にまとめたり、と色々楽しめそうなのになあ、と思う。

思わず子供に口を出す。
もっとさあ、なんでかなとか、調べてみるとか・・・そこから色々始まるのだよ・・・
でもその声は子供にはなかなか届かない。僕がかつてそうだったように。
ああ、なんてもったいない。すぐ大人になっちゃうのだよ、君ぃ。

僕の親もそう思いながら僕を見たのだろうな。

などと偉そうなことを書きながら、実は工房のメンテナンスが完全に終わっていない僕。
そして火をつけてから、作るもの、そろそろスケッチを始めなきゃ。ああ、おなかがむずむずしてきた。
僕にも宿題があるのです。


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by glassroom | 2005-08-21 12:14 | 日々の出来事
2005年 08月 21日

芹沢銈介展覧会

昨日の続き。
建築については昨日紹介した。
なので今日は展示について・・・と思ったけれども、これがなかなか難しい。
展示品の写真は撮れないし、文章で紹介してもうまく伝えられるかどうか。

常設展は主に博物館。
アジア、ヨーロッパ各地より、紀元前からの工芸や宗教美術を中心に収集されたコレクションが並んでいる。

ところでこの博物館は宗教団体が母体らしく、この建物からほどない場所にこの団体の建物がある。
この宗教団体について、僕は何の知識もないのでなにも書くことは無いし、このミュージアムを訪れる分にはそういったことを特に気にさせるものは見当たらない。

さて、特別展は芹沢銈介の作品。
染織家で、人間国宝になった彼の作品、一見素朴で土着的な雰囲気と思いきやその色使い、デザインセンス、どれもすばらしく実は大変な個性と土着的、民族的なものが融合して、もう見ているだけで釘付けになった。
作品は着物、のれんから、マッチ箱のデザインまで親しみやすいもの。
別のHPですが、こんなページもありましたので

通常、染色において各工程を職人によって分担する作業を、彼はほとんど自分が手を動かして制作したという。
このあたり、作品であり、作家であり、もの作りとしての意思を感じる。

作品は、本物をそれこそ手の跡、染めの跡を間近で見ないとその良さはなかなか分からないだろうと思う。写真では作家の手の跡という、作家の生命線のような部分が分かりにくいから。

僕などはとても比較できるものではないが、僕も手でものを作っている。
時々、ここは誰かやってよ、って言いたくなるが、やはり自分が手を入れると一番納得できる。
なので、非常に彼の姿勢に共感するところがあった。

一つ一つの作品、芹沢銈介の作っているところ、その情景を想像しながら見ていたら、気がついたら閉館時間となっていた。


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by glassroom | 2005-08-21 00:00 | 日々の出来事
2005年 08月 19日

久々に展覧会を見る

滋賀県にある、MIHOミュージアムに行った。
この美術館、設計はI.M.ペイ。
彼の作品で有名なところはルーブル美術館の改装など。あのガラスのピラミッド。行かれた方もおられるかと思う。

彼くらい有名な建築家はもう建築史になりつつあるし、その作品を見るにはアメリカでも行かないと見られないと思っていた。でもこのミュージアムが出来て、自宅から一時間ほどで行けるというのは、ありがたい。
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ここは、建築としての完成度がとても高い。
まず、その広大な敷地(30万坪!)がまず驚かされる。美しく整備された敷地の入り口、ここから歩き始める。
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設計者のコンセプトは桃源郷らしい。
最後のトンネルと抜けると、目的の建物が見えてくる。
このトンネル、デザインがすごい。
まず、トンネル特有の反響がない。アルミのパンチングを使い吸音するようになっていて、まるで未来のトンネル。そこを電気自動車が静かにお客さんを運ぶ。かっこいい!
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照明までかっこいい。
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建物は日本の伝統家屋をモチーフとしていて、エントランスはこれしか見えない。
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これはまるで。
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こういうことだが。
しかし、入るとそこは別世界!本当にびっくり。
ルーブルでもそうだが、伝統の文脈を持つ建築に明快な現代の明るい空間を持ち込むことにより、過去の文脈を壊すことなく建築家のコンセプトを築き上げる。
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この建築、配置計画から内部、そして細かいディテールまで本当によくできている。
僕が建築家で、もしこんなものを設計したらもう満足して仕事を辞めちゃうだろうな。

ああ、建物でこんなにいっぱい書いてしまった・・・

本命の展示は染織家の芹沢銈介なのですが、これまた非常にすばらしかった。
これについてはまた明日。
でも展示は写真不可、それが残念ですが。


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by glassroom | 2005-08-19 21:23 | 日々の出来事