カテゴリ:吹きガラスの事( 75 )


2005年 04月 24日

感覚的なことは

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ガラスの温度について再び・・・
僕は吹きガラスの教室をやっています。受講生の皆さんもやはりガラスの温度(=柔らかさ)の感覚をつかむのに苦労しているようです。

僕も始めた頃はそうだったのですが、形を変えようとしていじっているのに、なかなか形が出来てこない、ということがよくありました。
これは頭の中のイメージでは柔らかいつもりで触っているのですが実はかなり硬く、それを認識できていない事が原因でした。
受講生の方からよく「なんで先生はそんなに簡単に形を作るの」と尋ねられますが、これは温度が違うからなのです。
ガラスを常に粘土のような柔らかさに保つ。頭ではなるほどと思えるのですが、それを感覚で理解するのは難しい。

感覚で理解する・・一番簡単な方法は直に触ってみることですが、相手は1000度。触ることはできません。何か道具や熱を伝えない物を介して触るしかありません。
さわれたら、さわれたら。
そして僕はある時さわってしまいました。
もちろん、わざとじゃありませんよ。ガラスをつかむ耐熱グローブが破けて親指が出ていたことに気が付かなかったのです。
その瞬間、ドンッ!と指に五寸釘を打ち込まれたような衝撃でした。忘れられません。

その親指、そこだけ今でも指紋が妙な線になっています。特徴ある指紋です。
もう犯罪はできません・・してませんけど。
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by glassroom | 2005-04-24 23:16 | 吹きガラスの事
2005年 04月 23日

力の入れどころ

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とけたガラスで作業をしていて一番日常と違うことは温度だ。ガラスはいつも1000度以上の温度で溶けていて、作業しているときもそれ前後だろう。600度くらいになると、もう石と同じ。カチカチで何もできない。
溶けたガラスと気温の差は1000度なのだ。当然あっという間にかちかちに冷えてしまう。
僕がまだ吹きガラスの初心者だったころ、この「ガラスが冷えていく」という感覚をつかむのにすごく苦労した。
普通のものは何でもそうなのだが、かたい時は力を入れたらいい。なかなか形が変わらないなら、時間をかけて力を入れ続ければその対象は変形していく。
ちょっと硬い粘土は、ぎゅーっと長いあいだ押さえたらくぼむ。ジュースの缶が硬くても、力を入れ続けたらへこむ。
これが子供の頃からの普遍的な事実だった。

けど、ガラスは違った。
思った形にしたいと力を入れても時間をかけて押さえても、形は変わらなかった。それどころか、再び火に入れて温度を上げても時間をかけて冷やした物はなかなか温度が上がらず、半煮え状態で再び力を入れるので、ますます変な形になっていった。
こんなへんなモノを触ったことはなかった。
結局、普通と反対。つまり形を変えたければ短時間で、そして軽く触ること。
そして、自分の思い通りにしたければ、無理をしないで早めにあきらめる。これがつかんだコツだった。
そんなコト、あんまりないよね。「あきらめるな!がんばれ!」ってガラス吹きには通用しないかも。
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by glassroom | 2005-04-23 23:52 | 吹きガラスの事
2005年 04月 22日

今日の天気は

オフィスで働く人や、たとえばデパートの中で働く人には外の天気がわかりにくいと聞いたことがある。今日一日、暑かったのか寒かったのかそしてお日様は出ていたのか。

ガラス屋には天気は本当に大切だ。今週は始まりは暑かった。昼間は暑くてへにゃっとなった。
工房には冷房はない、暖房は事務室にストーブが一つ。暑ければ窓を開ける。寒いときは窯の前に行って暖をとる。原始的なのだ。だから暑いときは頭がぼーっとなって、身体がだるくて仕事が遅い。
寒いときはちぢこまってこれまた仕事が遅い。吹いているときは寒いことはないけれど、吹いてばかりという訳にはいかないから、掃除したり、メンテナンスしたり、冬に雑用をしているときはかなりつらい。

今週は暑い!とふんで、冷たいお茶を入れるピッチャーを作った。
教室をしているので生徒さんに冷たいお茶を振る舞おうと思ったからだ。勿論僕も飲む。
なのに、今日は何だ、えらく涼しい・・夕方からは寒いじゃないか。この時期、難しい・・
冷蔵庫にピッチャーを二つ。麦茶が眠っている。
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by glassroom | 2005-04-22 23:11 | 吹きガラスの事
2005年 04月 21日

花粉症がようやく・・

僕は花粉症なんですが、最近ようやく山を越えてきました。
花粉症で困るのは作業中です。ガラスを吹いている時は竿とよばれるパイプを両手に持って、その先にはでろ〜んと溶けたガラスがあるものだから、ガラスがびよ〜んと落っこちていかないように常に竿を軸で回転させている必要があります。なので両手がふさがっているわけですね。つまり鼻がかめない・・・
そんな理由で花粉症は本当にまいってしまうのです。

ところで、ガラスは温度差に弱いのです。吹きガラスで何か作ると完成した時点ではまだまだガラスは熱く、たとえば紙なんかふれるとあっという間に燃え上がるような温度です。
こういうときに、たとえば水なんかをガラスにふれさせると温度差でびびっとガラスにひびが入ってしまうのです。できあがった作品はそのまま徐冷炉と呼ばれるところで急に冷えないように、じっくりと時間をかけて温度をおとしてゆきます。
なので完成時は特に冷えないように細心の注意を払っているのです。

もう2〜3年前のことですが。
その日はいつものようにガラスを吹いていました。春は夏のシーズンを前に忙しいのです。そして花粉症を押して吹かねばならないしんどい時期でもあります。
ぷぷ、とガラスを吹いてずずっ、と鼻をすする。これを繰り返し、ちょっと過呼吸になってくらくらしながらガラスを吹いていました。
そうして苦労して僕はようやく器を一つ完成させました。そ〜っと徐冷炉に運んで入れようとかがんで作品を持ち上げたその時!
あろうことか、鼻水を落としてしまったのです!じゅじゅ、という音と共に鼻水の形にガラスに細かいひびが入りました。
・・・・鼻水を垂らしながら呆然とする僕。
その作品はダメになったのは言うまでもありません。
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by glassroom | 2005-04-21 23:50 | 吹きガラスの事
2005年 04月 19日

京都のガラス屋でございます

僕はガラス屋です。
吹きガラスといって、溶けたガラスをぷ〜〜っと吹いて作るガラスです。
そして今日からブログ。猫も杓子も最近はこぞってブログなんぞ始めたりするもんだから、僕も負けじとやってみることにしました。
自分の書いた文章なんぞを公に見せるなんて、緊張ですがまあいいっか。のんびりそしてつれづれなるままにこのガラスと、そして活動のフィールド、京都などについて勝手な事を書いていきます。
さっそくですが、吹きガラスって知ってますか?テレビで見たことがあるって人も結構いるかもしれませんね。でも大半の人は見たり、作業を体験してみた人は少ないと思います。マイナーな分野なんですよ。
でも、吹きガラスは狭くてふか〜い洞窟のような世界が奥へ奥へとつながっています。この洞窟に入ったらなかなか出られません。なぜって、ガラスは難しい。そしてガラスはきれいだ。この2点に尽きます。
こいつを語りだしたらもう・・・夜通し語るかわり、これからぼちぼち書いていきますのでよろしく。
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by glassroom | 2005-04-19 15:46 | 吹きガラスの事