2008年 06月 22日

小さな話

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梅雨。
それはムシムシと湿度の高い毎日。

その日の晩ご飯はタコ焼きになった。
関西以外の人には馴染みのないメニュー、タコ焼き。
タコ焼きのメッカはもちろん大阪。けど、京都人だってタコ焼きは食べるのだ。
そして枝豆がお皿に盛られた。

ムシムシと湿度の高い日は、汗をだくだく流して仕事をする。だからのどが乾く。
そこでタコ焼きの登場だ。
否が応でもビールへのいざないが僕を突き動かし、冷蔵庫のビールコーナーを開けさせる。
だが、そこで衝撃がっ!

なんと、ビールが一本もない。・・・一本も。
慌ててビールの箱から出して冷蔵庫に放り込む。もう夕食は目の前だ。

とりあえず、子供達を食卓に呼び、僕はタコ焼きを焼く。
熱気を帯びた鉄板に汗をかきながらタコ焼きをひっくり返し、急冷しているビールに思いを馳せる。

だが、そこで衝撃がっっ!

雷が鳴りだした。
重苦しい雲と雨、そこから轟く低い雷の音。
梅雨なのだ。
もし、雷で停電にでもなったら、工房へすっ飛んで行って窯の火の復旧をせねばならぬ。
雨の中、車を動かさねばならぬ。

ビールが遠のき、気持ちが萎える。
タコ焼きなのに・・・枝豆があるのに・・・・

グラスに炭酸水を注ぐ。
立ち上る熱気、ソースの焦げた香り。
なんだか急にタコ焼きの味が寂しいものになってくる。
はしゃぐ子供達。
そうか、タコ焼き美味しいか・・・・

ふと気がつくと、雷がやんでいる。
そうか、やんだか。そうとなればまあよかろう。
急に気持ちが盛り返してくるのがちょっと大人げないが、ふふと笑みがこぼれる。
僕はそそくさと冷蔵庫に走る。
炭酸水は妻に譲り、僕はプシュッとビールの缶を空ける。
注ぐ。
ふふふふ。

だが、そこで衝撃がっっっ!

冷えてない・・・・
時間が短すぎたのだ。
冷凍庫へ放り込んだものの、間に合わなかったのだ。
ぬるい。

そしてちょっと雷の音。

炭酸水で、お腹が張って来ている。そしてさらにタコ焼きを食べて、だんだんお腹一杯になりつつある。

ああ、もうダメだ。何もかも失敗だ。
家に帰ってすぐに冷蔵庫をチェックすべきだったのだ。
すぐにビールを冷やせばもう冷えてたのに。
天気予報を見るべきだったのだ。雷が大した事無ければ、初めから炭酸水は飲まなかっただろう。
ああ、もう何もかも終わりだ・・・
鉄板の熱気で汗ばっかり出やがる。せっかくシャワー浴びたのに。
もう終わりだ・・・

そして、あまりにも小さな自分にバッタリ倒れた晩だった。
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by glassroom | 2008-06-22 22:36 | 日々の出来事


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