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あるガラス吹きの徒然日記。

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2006年 09月 20日

着火

着火_d0029974_2217116.jpg


夏に入る頃、窯の火を消す。
この時、心の底からせいせいする。
ガラスなど、見たくない、考えたくない。

解放される喜び。
緊張から解き放たれ、何も考えなくてもいい喜び。
その喜びを髄の髄まで味わい、それゆえ何も考えず、開放感に浸る。

火をつける。
点火の瞬間、正直なところ苦痛だ。
なんでこんな事を仕事にしてしまったのか、すこし考え直さなければと思うほど。

火をつけて、僕にも火をつけて・・・
コンピュータ制御の窯のように、僕の温度も順調にあがる訳ではない。
窯はガスで燃えている。
だが僕は石炭のように火がつきにくい。

着火しにくい僕は、最近ようやく点火した。
がーっと忙しいと、楽しい。
ガラスが綺麗だ。
ガラスって美しいとか思っちゃう。

・・・・これぞ腐れ縁というものだろう。


by glassroom | 2006-09-20 21:44 | 日々の出来事


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