2005年 04月 23日

力の入れどころ

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とけたガラスで作業をしていて一番日常と違うことは温度だ。ガラスはいつも1000度以上の温度で溶けていて、作業しているときもそれ前後だろう。600度くらいになると、もう石と同じ。カチカチで何もできない。
溶けたガラスと気温の差は1000度なのだ。当然あっという間にかちかちに冷えてしまう。
僕がまだ吹きガラスの初心者だったころ、この「ガラスが冷えていく」という感覚をつかむのにすごく苦労した。
普通のものは何でもそうなのだが、かたい時は力を入れたらいい。なかなか形が変わらないなら、時間をかけて力を入れ続ければその対象は変形していく。
ちょっと硬い粘土は、ぎゅーっと長いあいだ押さえたらくぼむ。ジュースの缶が硬くても、力を入れ続けたらへこむ。
これが子供の頃からの普遍的な事実だった。

けど、ガラスは違った。
思った形にしたいと力を入れても時間をかけて押さえても、形は変わらなかった。それどころか、再び火に入れて温度を上げても時間をかけて冷やした物はなかなか温度が上がらず、半煮え状態で再び力を入れるので、ますます変な形になっていった。
こんなへんなモノを触ったことはなかった。
結局、普通と反対。つまり形を変えたければ短時間で、そして軽く触ること。
そして、自分の思い通りにしたければ、無理をしないで早めにあきらめる。これがつかんだコツだった。
そんなコト、あんまりないよね。「あきらめるな!がんばれ!」ってガラス吹きには通用しないかも。
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by glassroom | 2005-04-23 23:52 | 吹きガラスの事


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