あるガラス吹きの徒然日記。

glassrooms.exblog.jp
ブログトップ
2006年 03月 17日

ちなみ号

d0029974_073448.jpg

味気ない写真で許してほしい・・・
格闘中だから。

奇才作家、故中島らも氏がエッセイで自分の楽器、キーボードに名前を付けて可愛がっている、という文章を読んだ記憶がある。ペットならともかく、楽器に。
さすがらも氏だ。


掃除機を家から工房へ持ってきた。家の掃除機は最新にして、古い方を工房用とした。
なぜか僕はこいつを「ちなみ号」と呼ぶ事にした。あまり記憶にないが、これはひょっとしてらも氏がキーボードにつけていた名前かもしれない。「ちなみ」などという知り合いもいないのに、なぜこんな名前が浮かんだのか自分でもよくわからない。

いままで家でカーペットやフローリングの上をすいすいと走って、家のホコリだの小さなゴミだのを吸い込むことが仕事だったちなみ号。
なのに工房に来ていきなり荒いコンクリートの上をげこげこ走らされ、吸い込むゴミもガラス片だの耐火物の硬い粒といったモノになってしまった。
いままで9時出社、5時退社、仕事はお茶汲みとコピーがいきなり某国の強制労働所に入れられ、重い荷物を運ぶような苦役が仕事となったちなみ号。

ちなみ号には「ごみ信号」という緑に光る小さなランプがある。ゴミを吸い込むとランプは赤色に変わる。
家で使っているとき、時々このランプが赤くなった。一度通ったところをもう一度吸い込むと、ランプは緑になった。「奇麗にしたわよ。」と控えめに報告してくれるのだ。

ところが工房で使ってみると、赤いランプがパカパカ点滅する。家で使っていた時には見た事のない表示だ。まるで食べた事のないご飯を思いっきり飲み込んでのどに詰まらせてウゴゴゴっと目を白黒させているようだ。
僕は思わず叫ぶ。(心の中で)
「がんばれ、ちなみ号!」

するとちなみ号はやがて諦めたように緑のランプをまたたかせる。「あなた・・・ひどい」
やや申し訳ない気持ちになりながらも、ホウキで掃除するより100倍楽な、そして不憫なちなみ号を頼り、今日も掃除をしている。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-03-17 00:43 | 日々の出来事


<< 寂しさ      二進も三進も(にっちもさっちも) >>