あるガラス吹きの徒然日記。

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2006年 02月 16日

丁稚のすすめ

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ある学校から求人票が来た。僕を雇ってくれるのかなと思ったら(なんで雇ってくれるねん!)学生を雇ってくださいというのだ。


工房を初めてすぐ、窯を作る過程で僕はえらい災難にあった。災難、という言葉が適当かどうか分からない。それには僕とそれに関わりをもった人々の事を書かねばならないから詳しくは書かない。
とにかく失敗だった。
その出来事は、僕が100%悪かったわけではないのだが、今思えば僕の無知と軽率な行動が招いた結果の出来事だった。

書きたいことは、その失敗話ではなく、こんな失敗は「丁稚」をしていれば防げただろうな、ということだ。丁稚とはまた古い言葉だが、あえてこの言葉を使うのには、研修とか修行よりこの言葉の方が僕の思いに近いような気がするからだ。
丁稚奉公は主に昔、貧しい農家の子供などが大きな商家などへ口減らしに住み込みで働きに出された制度だが、これは実践の仕事を覚えるのにとてもいい制度だっただろう、と勝手に想像している。


僕は色々な学校に行った。学校で学んだ事は「作る者としての性根」、いわばコンセプトを明快にすることだ。組織に属して世間が要求する何かを作るのではなく、世間から見ればどうでもいい独り言のようなものを一人で作り続けるためのもの。
一人で小舟を漕ぎだすための羅針盤のようなものを学校で見つけ出したような気がするのだ。
でも、「日々の過ごし方の技術」のようなものは学校では皆無だった。そしてそれは丁稚で培うことができるのでは、と思うのだ。

ガラス工房なんて分野はちゃんとした会社に就職とか、きちんとした月給なんてものはほどんどない。どこかの工房へ就職、という感じではなくて、足で行って、見て、合って、なんとなく居座るようになだれ込む。そんな勤め方が多い。求人票を出して、見ての世界ではない。

そんな風になだれ込むように、その工房で丁稚になる。
丁稚をすることで、泥臭い、肌で感じる日々の技術やカンを伝えてもらう事ができれば、僕のトラブルはひょっとしたら回避できたかもしれない。と、まあそんな風に思うのだ。


参加してます。

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by glassroom | 2006-02-16 00:40 | 吹きガラスの事


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