あるガラス吹きの徒然日記。

glassrooms.exblog.jp
ブログトップ
2006年 01月 31日

忘れられない一節

d0029974_22453179.jpg

とってもお恥ずかしい話だけれども、僕はあまり本を読まなかった。
子供の頃、もっぱら読んでいたのはマンガで、特に手塚治虫はもう僕の人格を形成するほど読みふけった。手塚はこれは深い深い世界があるけれど、それはまた機会があれば書く。

ようやく、青年という歳になって活字に親しむようになったのだけど、出会った作家でとにかく心を掴まれたのは遠藤周作だった。
どこがどう、という僕の思いをくどくど書いても仕方ないので、書かないけれども、彼の文章でとても印象深い一節をちょっと紹介したくなった。

もう三十数年前に書かれたエッセイの一節。
電車で騒ぐ若者に対して、忠告するように文章は始まる。
「まるで自分たちがこの列車を借り切ったような態度」の若者に対して、「電車の中には読書をしている人もいるし、眠りたい人もいるし、また病人もいる。」と続く。
そして彼らに「人生のなかで必要な想像力を養ってもいいと思う。自分がこういう行為をすれば、他人にどんな迷惑をかけるかという想像ができなければ、後になってどんな本を読んでも理解できなくなるだろう。自分以外の世界を想像する力のないものは、いかなる芸術作品もわからないからである。」と。

平易な表現でありながら、芸術と文学の核心を表しているこの文章と初めて出会って以来、この一節は忘れられないものになった。
そして、このところ嫌なニュースが続くけれど、この人達はまさに必要な想像力を養っていないのだろうなあ、と思うのだ。


参加してます。

人気blogランキング
[PR]

by glassroom | 2006-01-31 23:30


<< つるつる・・・      あなたは・・どっち? >>