あるガラス吹きの徒然日記。

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2005年 09月 23日

寸法との戦い

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時々、僕の作品などとは関係ないガラスの注文がある。

壊れた照明器具、ガラスのシェード部分を復元してほしい・・・
二つある花器、一つ壊れたので一つ作ってほしい・・・
45mmの口径の金具にシリンダーのガラスを作って・・・

こういう依頼はそのほとんどが寸法や色、厚みなどが決まっている。図面に出来るような内容だ。言うまでもなく、製造業のほとんどは図面を使ってそれにぴったりのモノを作る。
あたりまえだ。図面通りに作らねば、設計通りに仕上がらないし、それであらゆるものが出来ている。
ガラスとて勿論例外でなく、ガラス工場ではデザイナーや設計者が引いた図面を、その通りに制作して結果として製品が作られてゆく。

あらゆる分野、図面通りにモノを作るには「型」を使う。金型が主流。
車のボディー、建築の外壁のテクスチャー、食器、インテリア用品、なんでも型を使う。
金型は大変高価だから、一旦作った金型の制作費をペイしなくてはならない。
商品の利益にその分をのせて生産しなくちゃならないから、オーダーしたらモノによっては一万個くらい制作しなくちゃ元は取れない。


僕のやっている技法はガラスの宙吹きという技法で、型は使わない。この技術が全盛期だったのは14世紀くらいからかな、詳しくは知らないけどとにかく大昔からある、そして現在は「化石」の技法・・・。なので、依頼主の注文の内容が「図面的」であればあるほど難しい。
というか、図面で引けるようなモノの依頼をこなす事は不可能だ。でも、僕はチャレンジ?でそういった依頼を受けていた。依頼は大抵1個か2個くらい。工場なのでは断られた依頼が多い。

こういった図面の内容を作るにはどうするか。
図面を引くには定規を当てる。測りながら作る。
たいていのものを作るには測りながら作れば失敗しない。だが、ガラスには定規をあてることはできない。定規が燃えちゃう。
そして動きを止める事もできない。せめて動きを止めればサイズを測れるが、手をとめたら製作中の柔らかいガラスが、じわ〜んと重力で変形して、落ちていく。

サイズを測るには写真のような鉄のコンパスのようなもので計る。
回している竿に一瞬あてるような感じ。ちょうど皿回しをしている皿を片手で回したまま、もう片方の手でゲージを当てるような感じだ。

これだけなら、まあなんとなくサイズに近づけることは出来そうだが、でももっと困難な問題があるのだ・・・

ああ、長くなりそうだから明日に続く。


参加してます。

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by glassroom | 2005-09-23 21:43 | 吹きガラスの事


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